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2025/03/15 01:40 |
綾崎若菜の
「いや、ごめんなさい。許して」

 懇願する声を無視して、勢いよく振り下ろされる掌。衝撃と同時に、若菜の尻は赤く咲いた。悲鳴が漏れる。

「許しを乞うか。若菜、自らの過ちを悔いているのならば、そんな言葉は出ないはずだが」

 声がいっそう厳しくなる。しかし若菜は、痛みと恥ずかしさから、祖父の様子をよく観察できなかった。必死の様子で、なおも頭を下げる。

「ごめんなさい。私の不注意で。反省しています。だから」

 だが、祖父は手を休めることなく、次の一打を繰り出す。

「わしには、今のお前の言葉は罰を逃れたいがための其の場しのぎにしか聞こえんよ」

 続いてもう一発。涙が零れ、畳を濡らす。

「ああ、もう駄目です。許して下さい」

「くどい!」

 一喝と共に、2発、3発を続けざまに叩かれる。
 普段では絶対にありえないであろう若菜の悲鳴が、泣きじゃくる声が、祖父の部屋を埋める。
 高校生にもなって四つんばいの姿勢で尻を叩かれることの惨めさを、彼女は早くも忘れかけていた。それほどまでに祖父の掌は力強かった。今はただ、尻の痛みに耐えることで精一杯だった。
 しかし泣き叫ぶ若菜の様子を見て尚、祖父の罰は続いた。
 100叩きだと、初めに決まっていたのだ。それが相応の罰であるという祖父の意見は、決して曲がる事は無さそうだった。

 40、50と回数を重ねる。
 若菜は途中泣き疲れ、しばらくしてまた痛みに声を張り上げた。むき出しの尻はどんどんと赤く染まり、しかし祖父の掌にこめる力は、一向に衰えなかった。ただひらすらに、同じ痛みを、若菜に与え続けた。

 そして遂に終わりを迎える。

「若菜、あと5回だ。しっかり数えておけ」

 1発。

「きゅうじゅう、ろく」

 2発。

「きゅう、じゅ、なな」

 3発、4発。
「きゅうじゅうはち、きゅうじゅうきゅう」

 そして最後の一発。100発もらっても慣れることの無い痛み。

「ひゃ……く」

 罰が終わると、若菜はしばらく息を整えた後、祖父のほうに向き直り、疲れた声で、しかし精一杯に頭を下げた。

「お仕置き、ありがとうございました。そしてごめんなさい、お爺様」

「罰は受けただろう。それに、随分反省したようだしな。もう謝ることはない」

「でも、あの盆栽は、お爺様がとても大事にしてたものじゃ」

 若菜が顔を上げる。泣きはらした目に、また涙が浮かんでくる。

「確かにあの盆栽は大事にしていた。だが、わしが仕置きをしたのは、お前が罪を犯しても反省しないような人間になって欲しくなかったからだ。今回はいい機会だった。だからもう気に病むな」

 祖父の言葉に、落ち込んでいた若菜は少しだけ元気付けられた。反省も後悔ももちろん残るが、許されたことで、気持ちは楽になった。

「ありがとうございます」

 改めて頭を下げ、礼を言った。心からの言葉だった。

「もう戻るといい」

 若菜は、下着をスカートをはくと、一礼して祖父の部屋を出た。
 尻の痛みはまだ続いていたが、大切な何かを学べた気がした。
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2010/05/09 05:10 | Comments(2) | TrackBack() | スパ
モグラ先生2
 続きみたいなもの。



 それじゃ、これを深爪先生(モグラ先生の本名)のところに持っていって」

「は、はい……」

「あ、くれぐれも気をつけるんだよ。粗相のない様にね」

 先生はそう言い残し去っていった。
 すべての責任を私に押し付けて……

 私の名前は氏海美(うじうみ)。この私立制裁高校に通う普通の17歳。
 でも今日だけは突然職員室に呼び出され、とんでもない大役を言い渡された不幸な17歳。

 何故こんな事をしなければならなくなったのか。
 それはこの制裁高校の決めたルールと、私の運のなさが原因だった。
 次の文から説明です。どうぞ。

 モグラ先生には誰だって近づきたくない。
 誰も逆らえない上に、世界を震撼させるほどに理不尽な発想の持ち主だからだ。進んで歩み寄る事なんてどんな馬鹿でも絶対にしない。
 そこで制裁高校では、モグラ先生に関係するすべての雑用を抽選で決定しているのだ。
 先生も生徒も、理事長でさえもこの地獄への片道切符を手にしたら断ることは出来ない。まさにガチンコ抽選会である。説明終わり。

 そして今回、モグラ先生に好物のプリン丼を渡す役目を与えられたのが私だったのです。
 ホントついてない……


 モグラ先生の職員室、通称『モグラの穴』の前。
 海美は震える足を抑え、片手にプリン丼を持ちながら目の前の戸を叩いた。

「せ、先生、プリン丼を持ってきました」

 部屋の中から甲高い声が聞こえてきた。
「入れ」

(意外とすんなり入れた……これなら無傷で帰れるかも!?)

 そんな甘いことを考えながら戸を開けた海美の目の前には、思わず「ここ何次元?」と疑問を持ちたくなる光景が広がっていた。

 おびただしい数のネギ。そしてモグラ。
 およそ10畳の部屋のほぼ全域をその二つが占拠していた。
 そして部屋の中央にはモグラ先生。座り込んで何かをしている。
 ……5秒ほど、すべてを忘れて室内を見渡していた。それほどまでに圧倒的な光景だった。

(あっ、しまった。何か言わないと)
 そう思い、海美は咄嗟に出た言葉をそのまま吐き出した。

「し、失礼します!」

 その声に気づき、モグラ先生が海美の方に振り向いた。
 そして一言、

「うるせぇぞ!」

「ええ!?」
 驚愕する海実を無視し、モグラ先生は続けた。

「俺は今、ドラクエやってんだろーがっ!」
 よく見たら、確かにドラクエをしていた。
 しかし海美は、周りが強烈過ぎてTV画面が視界に入らなかったのだ。

「ドラクエタイムの俺に話しかけるとは、この時代にも無謀な戦士はいるもんだな。見直したぜ……お前、ひょっとして……」

(あれ、怒ってない? もしかして助かるの)

 しかしそれは、一瞬で裏切られた。

「おしおき志望者だな。いやそうだ、そうじゃないとは言わせねぇ! うおおお!凄まじくドメスティックバイオレンスな気分だぜー!!」

(死んだ……)

 全てをあきらめた海美は気がついたら部屋の隅に立たされていた。もちろん下半身には何も穿いていない。

「打つぜ打つぜ! 少年時代に戻ってモグラ打ちまくるんだい! やっほう!」
 長ネギを片手に叫ぶモグラ先生。アドレナリンMAX状態だ。

「ビュンッ」
 ネギで打ったとは思えないスピードでモグラが飛んだ。
 モグラ先生は自分の口で「ビュンッ」と言うほどにご機嫌だ。

「ズガス!!」
 海美のお尻にモグラがぶち当たった。信じられない程の痛み。
 一方のモグラ先生は「ズガス!」と言うと同時に我流のガッツポーズをキメた。

 ――10発目。
「ウグッ」
 呻き声を上げる海美とは対照的に、モグラ先生は大事なドラクエを叩き割るほどに興奮していた。

 ――20発目。
「いやー! 痛い」
「チュドン!」
 叫ぶ海美。そして、取って置きの一発芸『掃除機爆破』を披露するモグラ先生。

 ――30発目
「っ・・・・!」
 声にならない声を出してみたモグラ先生。

 そして40発目、ついに地獄の終焉が訪れた。

「出ていけ、この非国民が!」

 突然の激怒。謎の罵声。
 訳も分からないまま海美は部屋を追い出された。空になったプリン丼の器と共に。

 1分程呆然としたら、海美は腫れ上がった尻を押さえながら帰る準備を始めた。

「あれ? 何これ」

 尻に妙な違和感。よく見るとネギがささっていた。

「な、何のつもり、あのおっさん!? って言うかいつの間に」

 しかし海美はすぐに気づいた。
「モグラ先生は何も穿いてない私が風邪をひかないようにネギをさしてくれたんだ」

 意外な優しさに感動する海美。涙をぬぐいネギを抜き取った。

「あ、なんか書いてある」

 ネギに書かれていた言葉、それは
『HAPPY BIRTHDAY』

「せ、先生……私の誕生日、7ヶ月も前に祝ってくれたんだ」

 痛みと感動でまた涙が溢れ出した。
 海美は思わず叫んだ。

「モグラー! フォーエバーIN名古屋!


 一方モグラ先生は、ドラクエを割った犯人を捜していたのであった……

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2009/10/12 00:09 | Comments(0) | TrackBack() | スパ
モグラ先生
 昔書いたのがあったので載せます。間を持たせるために。
 あまりにも酷い文章だったので少し直しましたが、基本的に大して変わっていません。なので今以上にへったくそです。でも自分では気に入ってます。



「奴だ! 奴が来るぞ!」
 生徒たちがにわかに騒ぎ出した。

「ガーン!!」

 大声を上げつつ勢いよく扉を開けた一人の男。
 そう、彼が生徒たちを恐怖の谷に突き落とす鬼教師。通称『モグラ先生』だ。

「誰だぁ! 俺の机の上に置いてあったドラクエ8を割りやがったとんでもボーイは!」

 彼は学校の誰もが知る程のゲーム通。
 それも大好きなドラクエを割られたのだから、怒り狂うのも当然である。

 しかし、生徒たちはやっていない。
 そもそも彼らは今日、モグラ先生専用の職員室、通称「モグラの穴」に一度も入っていない。モグラの穴の入り口には監視カメラが仕掛けられているので、アリバイは完璧である。

 しかしそんなことは彼には関係なかった。
 アリバイがあろうが、生徒はやってなかろうが、怒りを発散できれば
それで良かったのだ。彼はそういう男だった。

 これまでも生徒たちはたくさんの謂れなき罪を被らされた。
 それでも耐えるしかなかった。
 教師達さえも支配下に置くモグラ先生を止めることが出来る人間など、この場に一人もいないのだ。

 そして何かあると、罰を受けるのはいつもこのクラスの生徒たちである。
 これはこの教室がモグラの穴の隣りにあるから、つまり単純に近いからである。

「てめぇらが全員でやったんだ、間違いねぇ。……今からおしおきタイムだ。覚悟しろ!」

 そう言って彼は、手に持っていた長ネギを振りかざし、さらに鞄からあるものを取り出した。

 モグラだ。
 これが彼の名の由来である。

「全員! ケツ出せ!」
 言われたとおり生徒たちは即座に尻を出した。

「今日はいつもより充実のラインナップでいくからなぁー」
「うおらぁ!」

 彼はモグラを手に取り、長ネギで打ち出したのだ。ちょうど野球のノックの様に。

 ズドス!

 生徒の尻にモグラがクリーンヒットした。呻き声が教室内に響く。
 それもそのはず。モグラはすごい硬いのだ。その硬さは硬球の比ではない。
 さらにモグラ先生はすさまじくマッチョだった。
 二つの要素が合わさったとき、この地獄が完成するのだ。



 ――3時間後

「この辺にしといてやる。次はねぇと思え!」

 結局打たれたモグラは300匹。
 生徒たちは皆、芋虫のように這いつくばっていた。
 その尻はどれも怪我どころではすまないほどに腫れ上がっている。

 生徒たちの耐え続ける日々は一体いつまで続くのだろうか……
 その答えを知っているのは、モグラ先生だけである。

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2009/10/11 01:15 | Comments(0) | TrackBack() | スパ

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